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前立腺肥大症

前立腺とは?

前立腺というのは、男性のみにある膀胱の下にあるおしっこの通り道をとり囲んでいる臓器で、精子を保護するための液体をだしています。

加齢とともに、大きくなったり、がんができたりします。

前立腺肥大症について

組織学的な前立腺肥大症というのは30代より認められますが、症状が出てくる人は少ないです。

40歳~50歳くらいまでは体積20ml程度と一定していますが、その後は加齢によって増大し、80代では約90%の人に前立腺肥大症が認められます。

50歳以上の方で、おしっこの回数が多い、勢いが弱い、夜に何回も起きて困る、残る感じがあると感じられる方は、前立腺肥大症の可能性があるかもしれません。

前立腺肥大症の症状

  • 昼間頻尿:おしっこの回数が多くて困っている
  • 夜間頻尿:夜におしっこに起きてしまう
  • 尿線低下:おしっこの出が悪くて時間がかかる
  • 残尿感:おしっこに行ったのに、残る感じがして、何度もトイレに行ってしまう
  • 切迫性尿失禁:急におしっこに行きたくなって、我慢できずに漏れてしまう
  • 腹圧排尿:お腹に力をいれないとおしっこが出ない、時間がかかる

前立腺肥大症の検査

  • 尿検査:おしっこの濁りがあるか、血が混ざっているかを調べます
  • 直腸診:前立腺がんや前立腺の炎症との鑑別、大きさなどを調べます
  • 超音波検査:前立腺の大きさやおしっこの残りがあるかなどを調べます
  • 尿流量検査:おしっこの勢いの検査をおこなうことで、どれくらい我慢できるか、時間がかかっているか、お腹に力をいれているのかなどを調べていきます
  • 腫瘍マーカー測定(PSA)など:前立腺がんが隠れていないかなどを調べます

前立腺肥大症の治療

お薬の治療

おしっこが出にくい場合には、α-1遮断薬、PDE5阻害薬、5α還元酵素阻害薬というお薬を処方します。

α-1遮断薬(タムスロシン、シロドシン、ナフトピジル)

α-1遮断薬(タムスロシン、シロドシン、ナフトピジル)は、おしっこを出すときに膀胱の出口を拡げる作用のあるお薬です。

おしっこを出やすくすることで、膀胱のストレス軽減→おしっこをためやすくして、回数を減らしていきます。

PDE5阻害薬(タダラフィル)

PDE5阻害薬(タダラフィル)は、膀胱や前立腺に作用し、膀胱をリラックスさせる効果とともに、おしっこを出すときに前立腺のところにある尿道を拡げるお薬です。

5α還元酵素阻害薬(デュタステリド)

5α還元酵素阻害薬(デュタステリド)は、前立腺を縮小させることが目的なため、内服開始してから、3か月以上経過しないと効果があらわれません。

手術療法

前立腺肥大症の治療の進化は著しいものがあります。

日帰り手術ですと、WAVE(前立腺水蒸気治療)や1泊入院でのPUL(前立腺インプラントによるつり上げ術)などといった身体の負担が少ない治療などもあります。

どのような治療が自分にあっているか不安な方はいつでもご相談ください。

お気軽にご相談ください

高齢化社会となり、おしっこのトラブルに悩む方も増えております。

特に80歳以上の90%の方は前立腺肥大症を有すると言われています。

「受診するのが恥ずかしい」、「これくらいだったら我慢してしまおう」と思わず、お気軽に受診、ご相談にいらしてください。

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