過活動膀胱とは、「自分の意思と関係なく、膀胱が勝手に収縮し、頻尿や尿漏れを引き起こす病気の総称」です。
多くの場合ははっきりとした原因はなく、検査をおこなっても異常がでることはほとんどありません。
- 尿漏れ
- 頻尿:おしっこの回数が1日で8回以上ある
- 夜間頻尿:夜、おしっこに何度も起きてしまう
- 尿意切迫感:急におしっこがしたくなって漏れそうになる
- 切迫性尿失禁:トイレまでおしっこを我慢できずに漏れてしまう
このような症状がある場合には、過活動膀胱の可能性があります。
診断・治療
まず、しっかりとした問診、尿検査、超音波検査などをおこないます。
具体的には「水分摂取量が多くないか?」、「一回のおしっこの量はどれくらいか?」、「夜に何回も起きて寝不足になっていないか?」、「どういったときにおしっこが我慢できなくなるのか?」などの症状を確認します。
尿検査や超音波検査では、おしっこに血が混ざっていないか、濁りがないかをしっかりと検査し、他の疾患が隠れていないかなどを確認します。
他の病気でないことを確認した後に、生活指導、お薬の治療をおこなってまいります。
生活指導
水分をどれくらい飲んでいるのか、一回のおしっこの量や回数、時間などをみるために排尿日誌というものをつけていただくことがあります。
排尿日誌は、患者さんにとって、書く負担はあると思いますが、生活習慣改善のためにも非常に情報がつまったものです。
水分の摂り方の工夫や、膀胱訓練などの指導をおこなっています。
β3刺激薬
膀胱の筋肉を緩める作用のあるお薬です。
膀胱にリラックス効果をあたえ、膀胱にしっかりとおしっこをためられるようにするお薬です。
喉がかわく、便秘といった副作用が少ないという特徴があります。
お薬の効果は1週間~1か月程度であらわれてきます。
抗コリン薬
膀胱の収縮をおさえるアセチルコリンという物質をおさえ、膀胱におしっこをためやすくするお薬です。
ボトックス膀胱壁内注入療法
お薬を3か月飲んでも症状が改善しない、せっかくおしっこの症状が良くなって、お薬を続けたくても副作用が強くて継続できない方に対して、「ボトックス膀胱壁内注入療法」を日帰りで施行しております。
30~40分程度で終了する治療です。
どのような治療か気になる方はお気軽にご相談ください。