膀胱がんとは膀胱粘膜(尿路移行上皮)にできるがんのことです。
超音波検査や、尿細胞診というがんの検査を施行し、がんの疑いがある場合には、膀胱鏡を施行することで診断が可能です。
他の臓器に転移があるかどうかを調べる検査としてCT検査などをおこなう場合もあります。
膀胱がんの発生率
膀胱がんの発生率は6.6人/10万人で、男性は女性に比べて、約4倍多いといわれています。
また、喫煙者は非喫煙者に比べて発生率が2.58倍と高率であることが言われています。
禁煙によって発生率も下がるといわれているので、喫煙している方は禁煙を検討していくのも良いかもしれません。
膀胱がんの症状
膀胱がんの最も多い症状は痛みを伴わない肉眼的な血尿です。
真っ赤であったり、少し黒かったり、血の塊がでるということもあります。
また、膀胱がんによって膀胱の伸縮性がなくなることもあります。
その場合にはおしっこの回数が多くなるというような症状が出ることもあります。
膀胱がんのタイプ
- ① 膀胱の筋肉に到達していない早期がん(NMIBC)
- ② 他の臓器には転移していないけど膀胱の筋肉に浸潤した筋層浸潤性がん(MIBC)
- ③ 他の臓器に転移をしている膀胱がん
多くの膀胱がんは筋肉にまで達していない早期がんですが、膀胱は袋状で尿をためる性質があるため、たびたび膀胱の中で再発することがあります。
悪性度が高いタイプ(がんの顔つきが悪いタイプ)は再発をしやすいという特徴があります。
膀胱がんの治療
膀胱がんは、悪性度(がんの顔つき)と深達度(根っこの深さ)、他臓器転移(多くは肺転移やリンパ節転移)があるかないかで治療の方法が異なります。
- ① 転移がない根が浅い膀胱がん(筋層に到達していない膀胱がん):経尿道的膀胱腫瘍切除術(内視鏡での治療)やBCG膀胱内注入療法(膀胱の中にお薬をいれる治療です)
- ② 転移がない筋層浸潤がん:筋層まで浸潤しているがんは膀胱内注入療法では効果不十分であり、膀胱全摘除術+尿路変更術や放射線治療、抗がん剤治療をおこないます。
- ③ 転移がある膀胱がんは抗がん剤治療をおこないます。
当院でおこなえる検査、治療
尿検査(血尿があるかどうか、尿細胞診をみてがん細胞があるかどうかを調べます)、超音波検査、膀胱がんを直接みるための膀胱鏡検査、組織検査をおこなうことが可能です。
がんと診断された場合には、内視鏡手術目的で、近隣の病院やご希望の病院へのご紹介をさせていただきます。
また、再発予防目的にBCG膀胱内注入療法を当院では施行可能です。